今日、あらゆる分野の企業にとって、新規顧客の獲得は非常に重要です。特殊化学業界も例外ではありません。
デジタル時代になって、マーケティングの目的は、純粋なコミュニケーションや営業支援から、ある1つの重要な目的に向けた複雑なオンライン戦略へと劇的に変化しました。それは見込み客を生み出すという目的です。
貴社のマーケティングチームは、連絡先が記載されたリードのリストと、貴社のコンテンツ、プロモーション、キャンペーンでのインタラクションのリストをすでに作成しています。素晴らしいですね!
では、それらのリードに対して、実際にどのようにして新規案件をクローズするのでしょうか?少し辛抱が必要です。見込み客の獲得活動は、あくまでも第一歩です。
見込み客を営業チームに送る前に、マーケティングで獲得した見込み客を、 営業活動でフォローすべき見込み客であるかどうかを評価し、真に販売の機会かどうかを知る必要があります。
リード変換において、適格性を評価する時期。
今回のガイドでは、スペシャルケムでの20年にわたる経験に基づき、効果的な見込み客の評価を設定するための4つのステップをご紹介します。
ステップ 1:MQL を定義し、適切なリードを選び出す
デジタルを使ってリードを生み出すのは簡単です。しかし、膨大な量の見込み客のリストが生じてしまう可能性があります。また、その一人ひとりに連絡を取れる可能性はほとんどないうえに、このような大規模な行動は率直に言って、リソースの無駄遣いです。
マーケティングで生み出された見込み客のすべてが同じではないことを願いますが、それは見込み客のリストを見れば、一目瞭然でしょう。
評価に進む前にまず、さらに評価が必要かを判断するために、マーケティングで生み出された見込み客 (Marketing Qualified Lead - MQL)の定義を理解する必要があります。
簡単に言えば、MQL とは、貴社のバイヤーのペルソナに合致し、貴社の化学製品や材料に興味を示した見込み客のことです。
ある見込み客が MQL かどうかを判断するためには、氏名、メールアドレス、会社名、会社の業務内容、役職、提供する市場や最終的な用途など、必要なプロファイル情報を収集する必要があります。また、メールのやり取り、ダウンロード、ページビュー、フォームの送信など、その見込み客に関連するオンライン活動を追跡する必要があります。
詳しくは、化学業界マーケティング担当者のための簡単 MQL ガイドをご覧ください。
ステップ 2:MQL から SQL へ変換するための、適格性評価の際に収集するべき情報をリストアップ
見込み客獲得のジャングルをかきわけながら、ビジネスチャンスを見極めるためには、どのような基準がオポチュニティから売り上げにつながるのかを理解する必要があります。
方法や表現が違っていても、最先端のデジタルマーケティング企業はみな同じ結論を出しています。MQL を、営業活動でフォローすべき見込み客に変換するためには、2つの面を考慮する必要があります。スペシャルケムでは、その2つの面を以下の名称で呼んでいます。
- インターゲットスコア: 貴社の顧客リストに掲載したい企業に所属する見込み客かどうか?
- インプロジェクトスコア: 見込み客は、貴社製品が適合する可能性のある実際のプロジェクトに携わっているか?
適格性を判断したら、見込み客には、2×2の見込み客の適格性マトリクス(Human Lead Qualification Matrix)上にプロットされた2つのスコアがつけられます。この適格性マトリクスは、4つの象限に分かれています。各象限には、以下に示すように、具体的な次のステップとフォローアップの行動が含まれています。
スペシャルケムで使用している見込み客適格性マトリクスの例
時間をかけて適切なスコアリングの質問を設定し、その回答をスコアに変換すれば、両方の次元が数値化されます。
インプロジェクトスコアの測定方法
インプロジェクトスコアを測定する場合、スペシャルケムでは適格性の評価時に検証すべき以下の4つの基準を推奨しています。
- プロジェクトの目的(材料の交換、新しい用途など)
- プロジェクトのスケジュール
- 貴社製品を試してみたいという意向
- プロジェクトの規模や可能性を定量化できる能力
これまで化学業界で見られてきたことは、この4つの基準は普遍的なものであり、ほぼすべての化学・材料のサプライヤーが利用できると考えられてきたことです。
4つの基準のそれぞれが、以下のようにインプロジェクトスコアの一因となります。
- 各質問に対し、正確または具体的に回答: 各 +2 ポイント
- 一般的または曖昧な回答: 各 +1 ポイント
- 無回答 / 不明: 各 +0ポイント
この4つの基準で、インプロジェクトの最大スコアは8ポイントになります。見込み客のインプロジェクトスコアが4ポイント以上の場合、MQL は「インプロジェクト」と考えられます。4ポイント未満の場合、その見込み客はプロジェクトではない、またはプロジェクトになる可能性は非常に低いと考えられます。
インターゲットスコアの測定方法
インターゲットスコアは、企業によって評価基準が異なるため、少し手間がかかります。
理想のバイヤーペルソナに近い見込み客ほど、スコアが高くなります。あなたの目標は、潜在的な顧客を特定するのに役立つ評価基準を見つけることです。評価基準の中には、オンラインフォームで簡単に収集できるものもあるため、ぜひ利用されることをお勧めします。その他の評価基準では、通常、用途に対するパフォーマンス要件などについて、1対1のやり取りが必要になります。
以下は、スペシャルケムが化学業界サプライヤーのために管理している、見込み客適格性判断プログラムで使用する5つのインターゲット評価基準の例です。
- 地域:特定の国の顧客を求めていたり、他の国での事業に制限があったりする場合があります。地域によっては、製品の価格、性能、規制の状況などが問題になる場合もあります。
- バリューチェーンの中でのポジション:コンバーターではなく、統合型OEM でのプロジェクトを希望する場合もあります。あるいは、貴社製品は、樹脂メーカーではなく、処方設計者にのみ提案しうる選択肢かもしれません。
- 最終用途: 様々な理由で、一部の用途には貴社製品が適合しない場合があります。そこでテスト段階に入るのは本末転倒です。たとえば、医療用途では生体適合性がない場合などが挙げられます。
- 要求される、または望まれる性能:貴社製品は、要求される重要な製品性能に応じて、プロジェクトに適した候補、あるいは適さない候補となる場合があります。審美性の例を考えてみましょう。耐傷性能が低いプラスチックの場合、ノートパソコンの筐体には不適切となる可能性がありますが、エアコンのパネルには受け入れられる可能性があります。
- 規制:貴社製品が満たす、あるいは満たさない特定の規制要件がありますか?場合によっては、ある特定の規制を満たすことが、特定の市場や地域での貴社製品の成功を左右することもあります。
4つの基準のそれぞれが、以下のようにインターゲットスコアの一因となります。
- 主要ターゲットー 貴社にとって理想的なバイヤーペルソナ: 各 +2 ポイント
- 二次ターゲットー 理想的ではないものの興味深い対象者: 各 +1ポイント
- ターゲット外ー 興味深いペルソナではない場合:合計 0 ポイント
この計算により、インターゲットの最大スコアは10ポイントとなります。5ポイント以上の場合、この SQL は「インターゲット」とみなされます。5ポイント未満の場合、このSQL はターゲット外になります。
貴社の SQL は本当に機会となるのでしょうか?
SQL が、「インプロジェクト」 (4ポイント以上) および「インターゲット」 (5ポイント以上) と高得点の場合、ビジネスの機会になります。すぐに営業チームに渡しましょう。これは、すばやくフォローアップするべき見込みあるビジネスの機会です。
さらに詳しく知りたいですか?詳しくは、化学業界マーケティング担当者のための簡単 SQL ガイドをご覧ください。
ステップ 3:インサイドセールスに MQL の評価を依頼する
歴史的に、見込み客は主に営業チームが生み出してきました。製品の試用に興味を持つ人にとって、会社の窓口は営業担当者でした。そのため、見込み客の開発や変換は営業チームが責任を担っていました。
現在も、マーケティングで生み出された見込み客全員を直接営業チームに割り当てている多数の化学業界サプライヤーが見られます。デジタルマーケティングで生み出された数百あるいは数千もの見込み客全員が、単純に営業チームのブラックホールに投げ入れられているのです。
そのため、営業チームは既存の顧客管理に加え、マーケティングで生み出され適格とされた見込み客の管理も期待されているのです。これは大きな間違いです。
営業および事業開発マネージャーは、ビジネスの機会の処理やクローズすることに焦点を当てています。それが、彼らが給与を得て行っている仕事であり、得意なことであり、日々の関心事でもあります。加えて、見込み客の評価は全く新しい世界であり、営業の世界とは大きく異なります。
マーケティング活動で見込み客 (MQL) を生み出すマーケティングチームと、そのビジネスの機会を新しい顧客へと変換する営業チームとの間の、失われたつながりを満たすのがインサイドセールス担当者です。
このインサイドセールス担当者の役割は、営業活動でフォローアップすべき対象である見込み客へと変換するために、マーケティング活動で生み出された見込み客を評価することです。インサイドセールス担当者は、営業チームが購買に結びつけるために注力すべき、真のビジネスチャンスがあるかどうかを見極める責任があります。
営業/事業開発チームとは異なり、インサイドセールス担当者は、適切な方法で見込み客を評価するための時間、集中力、インセンティブ、スキル、そしてプロセスを有します。
ステップ 4:見込み客に早急に連絡を取り、その後、それを繰り返し行う
このデジタル時代には、私たち全員がスピードを求めています。
Amazonで新製品を購入したら、すぐに確認メールが来ることを求めます。カスタマーサポートとチャットをしたら、すぐに回答を求めます。見込み客の評価についても全く同じことが言えます。
見込み客がコンテンツをダウンロードしたり、サンプルやミーティング、見積もりを請求した場合は、あなたはすぐに行動しなければなりません。
オンラインでの請求の場合、平日は1時間から最長で48時間以内が理想的です。この期間が過ぎると、相手を評価するために実際に連絡できる可能性はかなり低くなります。
文書のダウンロードを通じて特定されたマーケティングの見込み客に対しては、24時間後に、見込み客評価のための電話をかけることが、反応を高めるための良い方法です。なぜなら、見込み客は貴社の文書をダウンロードしたことを覚えており、かつその内容を確認する時間があるからです。
これで、誰を対象とすべきか、何を収集すべきか、いつ電話をかけるべきかがわかったところで、いよいよ見込み客に連絡をとります。
あなたの目標は、見込み客と最初の個人的なやり取りをすることです。期待を管理する必要があることを忘れないでください。その他の行動と同じように、この場合はコンバージョン率やコンタクト率が関係してきます。請求を受け取ったから、または文書をダウンロードしたからといって、その見込み客がすぐにあなたの電話に出たり、メールに返信するとは限りません。個人的に受け止めないようにしましょう。
評価のために見込み客と個人的に繋がるチャンスを最大限高めるには、根気強くなることです。
ハーバードビジネスレビューによると、見込み客とコンタクトが取れるチャンスを90%にするためには、少なくとも6回連絡を試みる必要があります。一回の試みで諦めないでください。今すぐ、または明日、来週でも、もう一度試してみましょう。
2つ目に、電話だけに制限しないこと。メールも活用しましょう。見込み客が電話に出ませんか?電話をかけてみた後、すぐにメールを送信し、翌日電話をかけてみましょう。まだ応答がありませんか?ここで秘密のツールがあります。リマインドのメールです。件名に “返信:”をつけた、短いリマインドのメールを送信するのです。効果抜群です。この行動は繋がりを成功させるチャンスを高めます。
これで、「パフォーマンスの高い」見込み客評価を設定する切り札を全て手に入れました。幸運を祈ります。
スペシャルケムがさらにお役に立てることがありましたら、是非お問い合わせください。スペシャルケムは数百社もの化学メーカーの見込み客評価プロセスをご支援し、見込み客を売り上げにつなげるコンバージョン率向上をサポートしてきました。