ウェビナーは、新しいマーケティングリードを生み出し、既存のリードをリードファネルの先へと進めるのに役立つ強力なデジタルツールです。
しかし高い ROI にもかかわらず、ウェビナーは実行に時間とリソースを最も要する重大なマーケティングキャンペーンのひとつです。
制作してプレゼンテーションのリハーサルをするだけでなく、ライブイベントとイベント後の録画の両方を効果的に宣伝するためには、数週間もの時間と多大な労力が必要です。
これだけの大きな投資をするだけに、ウェビナーの失敗は許されません。
スペシャルケムでは、化学業界のサプライヤーのためにウェビナーの制作、宣伝、調整を行っています。弊社が2000年からご提供している事業です。
ここ数年、スペシャルケムは、貴社の制作過程を最適化し、オーディエンスとパイプラインのリードに価値をもたらしてウェビナーを確実に成功させるためのベストプラクティスを集めてきました。
1 - 化学業界のバイヤーの課題に焦点を合わせる
ウェビナーのトピックが、イベントの成功を左右します。
化学業界のエンジニアや処方設計者は、問題を解決する方法や課題を克服する方法、現状を改善する方法を知ることができるものであれば、貴社のウェビナーに登録する可能性が高くなります。
- 貴社の製品が対応できる今後の規制がありますか?
- 貴社が防ぐことができる、製造上の典型的な問題がありますか?
- 最終製品において貴社が改善できる重要な性能は何ですか?
これらの質問から、あなたは、市場のニーズや要件、顧客のプロファイル、貴社の化学製品の価値提案を完璧に把握していることが必要です。
2 - 価値をもたらす説得力あるストーリーの構築
ウェビナーのプレゼンテーションを作成する際、よくある間違いは、魅力的で面白いストーリーになることを期待しながら、既存の複数のプレゼンテーションからスライドをコピー&貼り付けしてしまうことです。
しかし、そういった継ぎ接ぎで作られたプレゼンテーションの大半は通常、まったく効果がありません。
ストーリーが魅力的でないばかりか、オーディエンスを混乱させます。このようなプレゼンテーションはまとまりがなく、重要なポイントが不明瞭であったり、関連性がなかったり、潜在的な顧客が本当に学びたいことは二の次であったりする傾向があります。
強力で魅力的なストーリーを作るためには、
- まず、ターゲット層にとって重要で、関連性のある、市場のトレンド、課題、ニーズを把握することから始めます。
- これらが彼らの仕事やビジネスにどのように影響を与えるのか、あるいはすでに影響を与えているのかを説明します。
- 最後に、なぜ、どのようにして貴社のソリューションがこの課題に取り組み、事前に対処できるのかを説明します。
- ストーリーテリングを用いてメッセージを伝えます。
- ファクトとデータを用いて貴社製品がどのように適切なソリューションなのかを示します。
- 真に重要な点に焦点を絞って、オーディエンスを正しい結論に導きます。
3 - 技術的になり過ぎず、営業中心になり過ぎない
ウェビナーの目標は、オーディエンスが問題解決のソリューションとして貴社製品を検討するよう説得することです。
そのためには、自社製品の違いを強調する、最も重要な技術情報に焦点を当て、なぜベンチマークに対して自社製品がベスト/ベターなソリューションなのかを説明します。
製品の技術データを大量に並べて、参加者を溺れさせてはいけません。人は、共有されたものを吸収できる幅に限りがあります。
ウェビナーに登録する人は、何かを学ぶことを期待しています。あなたに製品を「売り込まれる」ために参加しているのではありません。
ただ単に製品販売のプレゼンテーションをしたり、性能データや表を氾濫させたりすると、オーディエンスは失望し、不満を抱くでしょう。
さらに一歩進んで、貴社の製品が彼らの仕事をどのように楽にするかを説明する必要があります。
4 - 目標は30〜45分
効果的なウェビナーにするには、短すぎても長すぎてもいけません。
プレゼンテーションが30分以内だと、参加者は限られた情報しか共有されず、落胆する可能性があります。
逆に、45分以上プレゼンをすると、オーディエンスが離れてしまう恐れがあります。
また、ライブイベントの参加者は、質疑応答の時間を期待していることを忘れてはなりません。
プレゼン時間を45分以内に収めることで、最後に質問に答える時間を10~15分間設けることができます。
5 - スライドを読むのではなく、オーディエンスに話を聞いてもらう
技術的な内容のウェビナーを行う場合、プレゼンターは長い段落のスピーチ、巨大なデータ表、複雑なチャートでスライドを埋め尽くしてしまいがちです。
スライドの情報量が多すぎると、通常、参加者の気が散るだけでなく、プレゼンテーションがつまらなくなってしまいます。参加者は、プレゼンターの話を聞くのではなく、情報を読んだり処理したりして理解することになってしまいます。
スライドの目的はただひとつ、参加者に重要なメッセージを理解してもらい、記憶してもらうことです。
インパクトを最大にするためには、重要なメッセージを補強するような、強くて印象的なビジュアルをいくつか用意します。
その方法を以下にご説明します。
- スライド1枚につき、メッセージは1つだけ入れます。
- 長い文章ではなく、キーワードを使います。
- 定義を共有する場合を除き、スライドにスピーチの原稿を書かないこと。
- 言葉ではなく、できるだけ写真やイラスト、アイコンなどを使って意味を伝えます。
- 箇条書きにする場合は、最大5つに絞ること。
- 不要なデータやプロットは削除して、チャートや表をできるだけ軽くしましょう。
また、アニメーションを使用することで、ダイナミックなプレゼンテーションが可能となり、オーディエンスの関心を引くことができます。それに加え、ビジュアルを分割して各パーツを適切なタイミングで表示することで、オーディエンスを特定の情報に着目させたり、同じページを見るよう確認したりすることができます。
アニメーションを使用する場合は、「出現」や「フェード」などの基本的なアニメーションを使用すると、PowerPoint のスキルレベルに関係なく、モダンな印象を与えることができるのでおすすめです。
6 - 投票機能でオーディエンスとつながる
ライブイベント中に共有できるインタラクティブなアンケートとして投票フォームがあり、オーディエンスが回答すると、すぐに結果を見ることができます。
このツールは、参加者の関与を促す最適な方法です。
投票機能は、オーディエンスの知識を試したり、先入観や市場の間違った考えを示したり、彼らの現在の状況を評価したり、さらには3つの選択肢の中からどの例を提示するかを選んでウェビナーの進行に影響を与えるなど、さまざまな方法で利用することができます。
7 - Q&A用にいくつか質問を準備しておく
参加者は通常、ウェビナー中に主催者に質問を送り、最後のQ&Aセッションで回答を得ることができます。
しかし、場合によって、オーディエンスから質問がないこともあります。そこで、自らいくつか質問をして、オーディエンスの緊張感をほぐす必要があります。
質問を3つ用意しておけば、参加者の気持ちを盛り上げ、皆がそのトピックに関心を抱いているという印象を与えることができます。
その質問は、特定のポイントを別の角度からアプローチする方法でもあり、オーディエンスにとって重要なポイントを強化したり、オーディエンスに取ってもらいたい次の行動を再度強調したりするのに役立ちます。
8 - 流暢でダイナミックなプレゼンターを見つける
オーディエンスの関心を引くためには、プレゼンテーションのビジュアルが重要ですが、イベントを成功させるためには、ウェビナーのプレゼンターがそれ以上に重要です。
職務上の理由だけでプレゼンターを選ぶことは、必ずしも良い判断ではありません。
世界最高のプレゼンテーションを行うことができても、プレゼンターの声が退屈で、単調で、情熱を感じないものであれば、誰もが後日このウェビナーが良くなかったことを思い出し、誰も重要なメッセージを覚えていることはないでしょう。
会社の中の、流暢に語り、ダイナミックにプレゼンテーションする人を選びましょう。
ウェビナーの間は笑顔でいるようにプレゼンターに頼みましょう。オーディエンスにはそれが伝わります。
何人かの同僚にリハーサルを聞いてもらい、スピーチの速度について意見を聞き、遅すぎたり速すぎたりしないように調整しましょう。
国際的なウェビナーの場合は、プレゼンターのアクセントを考慮してください。アクセントに慣れていない参加者にとっては、強いアクセントは理解しにくい場合があります。
9 - 話す内容を書き留める
話し手が適切な言葉を見つけようとして、絶えず迷っていたり、言い直したり、「うん」「えーと」「そうですね」「だから」などといった間を埋める言葉を繰り返し言うのを聞くのは、何よりも辛いことです。
このような言葉は会話の中では自然なことですが、聞き手を困らせたり、話し手が十分な準備をしていない、あるいは信頼できないという印象を与えがちです。
このようなマイナスの印象を与える話し方の癖をなくし、躊躇しないようにするためには、練習やトレーニングを重ねるか、単純に話す内容を書き留めるとよいでしょう。
この2つ目の方法は、より少ない労力で納得のいくプロフェッショナルな結果を得ることができ、さらに、パンチの効いた印象的な言い回しを使うチャンスを得ることができます。
プレゼンターは、文章に命を吹き込むためのちょっとした演技が必要になりますが、次のベストプラクティスがそれを実現するのに役立つはずです。
10 - 2回のリハーサルで練習する
ウェビナーはプレゼンターにとってストレスの高い、恐怖を感じさせるイベントです。
ウェビナーのベテランプレゼンターでもない限り、オンラインで数百人もの人々がスライドをスクロールしながら聞いている中で、マイクを前にして話すことは容易なことではありません。
2回のリハーサルで練習する計画を立てましょう。1回目は1週間前、2回目は前日に行います。
最初のリハーサルは滅茶苦茶になると予想しておきましょう。それが普通です。スライドやスピーチに慣れる必要があるため、登壇者は何度も逡巡し、やり直すことになります。弱すぎると思う部分の見直しや改良もあるでしょう。また、マイクのテストや、ウェビナーの環境や機材に慣れるための機会でもあります。
2回目のリハーサルは通常ずっと上手く行くようになり、プレゼンターは自信を持つことができます。本番の1日前に2回目のリハーサルを行うことで、プレゼンターの頭の中にスピーチの内容が鮮明に残ります。本番さながらの環境でセッションを行い、それを記録することをお勧めします。プレゼンターのパフォーマンスは、ライブイベント時に近いものになるでしょう。
11 - 適切な日時を選択する
ウェビナーを企画する際には、ターゲットとする地域のカレンダーに常に注意を払いましょう。
展示会、銀行休業日、一般的な休日など、多くの人が不在となる時期は避けましょう。
また、サマータイム変更の週も避けてください。
また、月曜日はウェビナーには適していないこともわかっています。多くの人が仕事を始め、その週の計画を立てているからです。
また、イベントのタイミングも重要です。1つのウェビナーで世界の3つの地域を効果的にカバーするのは不可能なので、ターゲットとする2つの主要地域の都合の良い時間帯を選びましょう。スペシャルケムでは通常、ウェビナーはニューヨークの午前10時(パリは午後4時)に開催しています。
12 - 安定した接続で優れたマイクを使用する
インターネットの切断は、ウェビナーのプレゼンターや主催者にとって最悪の事態です。
この悲劇的な出来事が長く続くと、ウェビナーは壊滅的な状況になり得るので、このような事故の可能性を最小限に抑えるために、できる限り光ファイバーを使った有線接続を使用してください。速度と安定性はWiFiよりも優れており、音質も若干向上します。バックアップのWiFiや4Gの共有回線など、それでも切断されてしまった場合に備えて次善策を用意しておきます。
マイクについては、ノートパソコンのマイクでは不十分な場合、ヘッドセットを選択しても良いでしょう。電話の使用は避けてください。電話は背景で雑音がすることがよくあります。
1年に複数回のウェビナーを予定している場合は、プロ用マイクへの投資を検討してください(弊社では、衝撃吸収アームスタンドを備えた Blueイエティマイク(120')を使用しています)。
部屋の中が静かであることを確認してください。ドアと窓は閉めます。人々に部屋の近くで大きな声を出さないようにお願いし、壁が薄い場合もあるので隣の部屋を予約して静かにしてもらいます。
おまけ - とにかく宣伝すること
ウェビナーを効果的に宣伝できなければ、せっかくの努力も無駄になってしまいます。
企業のウェブサイトやソーシャルメディアで宣伝しましょう。自身の連絡先リストにターゲットを絞ったメールを送り、営業チームには最も有望な見込み客を招待するように依頼します。
しかし、このようなチャネルは出発点としては良いとしても、制限し過ぎであり、イベントへの登録者数が少な過ぎるという結果になりがちです。
リーチを最大限広げるためには、スペシャルケムのような材料選択プラットフォームやデータベースが役立ちます。
これらのウェブサイトは、製品、技術データ、製品選択のための教育コンテンツを探している化学業界のエンジニア、処方設計者、仕様書作成者に大いに利用されています。
スペシャルケムでは、50万人の会員のうち70%が研究開発や製造部門に従事しています。
ニュースレターやターゲティングメールでウェビナーを宣伝することは、将来の顧客と交わり、彼らがソリューションを探している時にウェビナーに惹きつける良い方法です。