マーケティングメールは、ターゲットとなるオーディエンスに教育的コンテンツを宣伝するための強力なアウトバウンドツールです。メールを書くことは誰にでもできることですが、魅力的ではない件名や、メッセージが不明瞭な延々と続く本文、弱いコールトゥアクション (行動喚起) など、悪い習慣に陥りやすいものでもあります。
スペシャルケムでは、化学メーカーのコンテンツを宣伝するために、ターゲットとなるエンジニアや処方設計者に向けて、定期的にマーケティングメールを送信しています。長年にわたり、最適な開封率とクリックスルー率を確保するためのベストプラクティスを収集してきました。以下のガイドを参考にしてください。
件名の書き方
件名は、受信者が最初に読む部分です。受信者がメールを開くか開かないかは件名が影響します。メールを開くように促す説得力ある件名の書き方をご紹介します。
1 - 価値とメリットを強調する
件名でコンテンツの価値を正しく示すことで、メール受信者の関心を惹くチャンスを高めることができます。問題を解決したり、仕事をうまく進めたりするために、どのようなことが得られるのか?これが、受信者の関心を惹く第一のきっかけです。
2 - 数字や定量データを用いる
できる場合はいつでも、製品のメリットを数値化しましょう。ベンチマークよりもX%、X倍良い、Y%コスト削減、などです。
件名にこのような数字を入れて開封率を高めましょう。受信者の好奇心を掻き立て、どのような結果が得られるのかをイメージさせることができます。
3 - 簡潔に、55文字で表す
これが、受信者のメールボックスに表示される通常の長さです。残りの部分は Gmail や Outlook のプレビューでは確実にカットされ、未完成で曖昧、不明瞭な弱い件名になってしまいます。
同じ理由から、最も重要なキーワードは最後ではなく最初に書くようにします。ターゲットとなるお客様の立場に立って考えてください。
4 - 受信者に個人的に宛てる
件名で相手の名前を呼ぶことも、開封率を上げます。「あなた」といった代名詞や「あなたの」のような所有格も有効です。
メールが個人に宛てたものであると認識されれば、あなたは受信者から信頼でき価値があるとみなされ、迷惑メールとは見なされない可能性が高くなります。
5 - 動作動詞または質問から始める
件名は、ダイナミックで説得力のある魅力的なものにしましょう。動作動詞は、コンテンツで読者を掻き立て、動き出させるのに最適です。
また、「はい」という答えを生む短い質問や、「○○の方法」のような文を使うことも有効です。
メール本文の書き方
受信者がメールを開けたら、あなたの次の目標はコールトゥアクションへと導くことです。多くの人が、メールが開かれたら仕事は終わりだと誤解しています。
受信者が注意深く読むだろうと決めてかかって、メール内でできることをすべて放棄してしまっています。しかし現実は、受信者はあなたのメールを丹念に読む時間はありません。
ほとんどの人が一瞥するだけです。メールをどのように最適化すれば良いか、またその一瞥を利用して読者をあなたの目的に導く方法を考えてみましょう。
6 - 単純な論理と構造にする
読者はあなたのメールを一瞬見るだけなので、即座に注意を引き、関与させなければなりません。あなたが共有しているコンテンツは自分のニーズに関連があり、役に立つと感じてもらわなければなりません。
その方法を以下にご説明します。
たとえば質問を通じて、あなたが解決を支援できる問題を提示することから始めましょう。読者や読者の顧客にとってのソリューションやメリットを紹介します。
コンテンツへの誘導でまとめ、コールトゥアクションで締めくくります。文章は論理的で、自然に次へと読み進んでいけなければなりません。
7 - 段落は短く、アイデアは1つにとどめる
あなたが非常に長いメールを受け取ったら、一言も読まずにメールを閉じてしまう可能性が高いのではないでしょうか。あなたのメールの受信者にも同じことがいえます。
読者を納得させるために必要なだけの最も短い文章を書き、不要な文章は削除するように最善を尽くしましょう。
1つの段落につきアイデアは1つにとどめることで、メッセージの最も重要な部分に集中できます。
8 - 性能ではなく、メリットに焦点を当てる
マーケティングメールは、製品のすべてを説明したり、ポートフォリオ全体を紹介したりするものではありません。
ターゲットとなる人々の仕事に役立ち、関連性のある貴重な情報を共有するためのものです。本文を書くときは常にこれを念頭において進めてください。
9 - 太字で強調する
読者の注意を向ける良い方法として、各段落の最も重要なメッセージを強調することが挙げられます。
また、いくつかの文章を太字にして、次々に読んでいくと別の文章になるように作ることもできます。これは、斜め読みに対抗する最善のテクニックです。
10 - タイトルで目的を明確にする
場合によっては、メールテンプレートにタイトルが含まれていることがあります。件名と組み合わせて使うことで、メッセージを強化し、読者にコールトゥアクションをクリックしてもらうことができます。
11 - 二人称で書き、パーソナルなメールに
件名と同様に、個人的であることは、メッセージを強化することにつながります。読者は、あなたが自分に直接語りかけているように感じます。
名字や、「あなた」、「あなたの」、また、会社名、役職などパーソナライズした項目を使うこともできます。
しかし、個人情報を共有する際には、適切なバランスを考慮してください。相手に不気味な印象を与えたくはないでしょう。これは「ビッグ・ブラザー」のような行動です。
12 - 件名とメール本文を一致させる
期待していたものとまったく違うものであるほど、落胆することはありません。
そこでお願いです。
メールの内容が、件名で予告した内容と一致していることを確認してください。
コールトゥアクション (行動喚起) の書き方
コールトゥアクションとは、マーケティングメールの最後にあるボタンやハイパーリンクのテキストのことです。これは、あなたが宣伝しているコンテンツに読者がアクセスする場合、クリックしなければならないリンクです。
これが、メールの目的を達成する最後のステップです。これが最も重要な目的だということは、あなたも納得するはずでしょう。読者がメールを放棄したり削除したりせず、クリックを促すには、どのようにメールを最適化すれば良いかを見てみましょう。
13 - 次のステップを明確にする
コールトゥアクションを読んだとき、見込み客が次に何が起こるのかを明確に把握できなければなりません。
以下の質問に対する答えが読者に伝えられているか確認してください。
- どのようなコンテンツにリダイレクトされるのか?
- コンテンツにアクセスするために、どのような努力が必要か?
- 長いフォームに記入しなければならないのか?
14 - コールトゥアクションは1つだけに絞る
コールトゥアクションやハイパーリンクのテキストを複数設けても、クリック数は増えません。実際には、真逆の結果となってしまいます。
特定のドキュメントの宣伝が目的の場合、追加のリソースのリンクも貼ってしまうと、読者は何をすべきかわからなくなってしまいます。
あなたが宣伝しているドキュメントにだけ読者の注意が向くようにしましょう。
気を散らさないようにしてください。もし、提供するドキュメントの選択に悩んだら、目的やターゲット層を見直す必要があるでしょう。
15 - 動作動詞を使用する
コールトゥアクションには、必ず「待った」をかけ、行動を促す必要があります。
いつも必ず動詞で始めてください。躍動感があり、ダイナミックになります。
コールトゥアクションを効果的に表現する方法として、「私はあなたの_コール_トゥ_アクションを希望する」を使用する方法があります。私は「比較データを見たい」、「ガイドラインをダウンロード」したい、「ケーススタディを読みたい」などは、この使い方の好例です。
マーケティングメールの良い例と悪い例
理屈はわかっていても、いざ実践するとなると多少難しい場合もあります。始めるにあたって、マーケティングメールの2つの例を見てみましょう。
以下の例はすべて匿名化したもので、クライアントのメールで目にする、よくある悪しき習慣をより反映させるために変更を加えています。
悪いメールの例
件名:新しいコーティング技術によるさらに長期にわたる表面保護
木材または金属向けの性能のメリットを発見する
木材または金属の仕上げに、さらに長持ちする表面保護が必要ですか?この新技術により、コーティング剤の強靭性、耐薬品性、耐水性、高温安定性が他に類を見ないほど高くなり、表面をより長く保護することができます。
この技術は、複数の表面に合わせて適応させたり、特定のレベルの硬度、耐久性、耐薬品性、光沢を実現したり、特定の VOC 要件を満たすように調整することができます。
以下のグレードをクリックして技術データシートをご覧ください。
- グレード A 木材クリア仕上げ用
- グレード B マットな仕上がり用
- グレード C メタルトップコート用
- グレード D 低 VOC 木材コーティング処方用
また、今すぐ弊社の会社案内をダウンロードしていただくこともできますし、来る「アメリカン・コーティング」展示会で弊社ブースにご来場いただくことも可能です。
パンフレットをダウンロード
このメールはどこが良くないのでしょうか?
- 件名が魅力的でなく、一般的で漠然としています。メリットが数値化されていません。これから学べることが分からないのに、なぜこのメールを開く必要があるでしょうか?
- タイトルがメッセージの中身のなさを強調してしまっています。対象となるプロフェッショナルは、この段階では認識できません。
- メール本文がポートフォリオの紹介になっています。すべての段落は製品の具体的な詳細を伝えています。しかし、対象者の問題に答えるものではありません。
- 本文が読み進める構成になっていません。各段落が他の段落から独立しており、ほぼどの順序でも読むことができます。
- メッセージのターゲットが絞られておらず、メリットが重視されていません。件名からコールトゥアクションまで、このメールには、ターゲットとなるオーディエンスにとって興味深いものが何もありません。なぜ様々なドキュメントを共有しているのでしょうか?このメールと同様に空になる可能性が高くなってしまいます。人はこれをクリックしないでしょう。
- どのコールトゥアクションも意味をなしていません。このメールには、テキストのハイパーリンクが4つ、ボタンが1つ、そして展示会への来場を促す文章があります。このうち、期待する行動(タイトルに書かれた、「性能のメリットを発見する」)に直接関連したものは1つもありません。技術データシートやパンフレットはそのためのものではありません。結果として、どのドキュメントを開けばその情報が得られるのかが分からず、ドキュメントを5つもダウンロードするなどといった行動は、間違いなく、メールを開けた人は従わないでしょう。
良いメールの例
件名:貴社の木工用塗料の耐久性を70%向上させる方法
テクノネームで木工用塗料の表面保護を長持ちさせましょう。
John 様
硬度が低い、耐薬品性が弱い、高温で劣化するなどは、木工用塗料の典型的な問題です。顧客から、貴社の木工用塗料について同様の問題が報告されたことはありますか?
テクノネームは、木工用塗料の耐久性を向上させ、市場ではほとんど見られない長期的な表面保護を実現します。この新しい表面改質剤シリーズは、硬度、耐薬品性、光沢、VOC、様々な表面の要求まで、あらゆるニーズに対応できます。
塗膜の耐久性向上をご希望される方のために、木工用塗料メーカーが表面保護率を70%向上させることに成功した事例をご紹介します。
ケーススタディを読む
このメールはどこが良いのでしょうか?
- 件名は魅力的で、メリットが数値化されています。「貴社の」という言葉でやや個人的なメッセージにし、「○○の方法」で興味や好奇心を掻き立てるようにしています。
- タイトルが件名を補完しており、これからこのメールで学べる内容の背景を伝えています。
- 本文は短く、読み進める方向に沿って構成され、メリットに焦点を当てています。問題は何か?何が解決策であり、なぜそれを検討すべきなのか?どうすれば詳細を知ることができるか?
- メールの本文は魅力的で、最初から読者を関わらせるような質問をしています
- メッセージはパーソナライズされています。一般的ではなく、受け手のために書かれています。ターゲットのニーズや課題を正確に把握しているからこそ、受け手の状況に響くメッセージになります。
- 文を太字にすることで、読者の斜め読みに対抗しています。
- コールトゥアクションは明確で論理的です。宣伝しているコンテンツは全体のストーリーに沿ったものになっています。